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高松地方裁判所 昭和49年(ワ)329号 判決 1975年10月29日

原告

脇キミノ

ほか五名

被告

近藤芳隆

ほか一名

主文

(一)  被告近藤芳隆は、

1  原告脇キミノに対し、金一五二万四、〇〇九円および内金一三六万四、〇〇九円に対する昭和四七年一月二日から、内金七万円に対する昭和五〇年一月一二日から、内金九万円に対する昭和五〇年一〇月三〇日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合による各金員を、

2  原告脇義彦、同吉川美恵子、同脇澄子、同坂田良子、同脇和美に対し、各金四八万五、六〇三円および各内金四四万五、六〇三円に対する昭和四七年一月二日から、各内金四万円に対する昭和五〇年一〇月三〇日からそれぞれ支払ずみまで年五分の割合による各金員をそれぞれ支払え。

(二)  原告らの被告近藤芳隆に対するその余の請求並びに被告近藤清に対する請求はいずれもこれを棄却する。

(三)  訴訟費用中、原告らと被告近藤芳隆との間に生じたものはこれを四分し、その三を被告近藤芳隆の負担とし、その余を原告らの負担とし、原告らと被告近藤清との間に生じたものは全部原告らの負担とする。

(四)  この判決は、原告らの勝訴部分にかぎり、仮に執行することができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

(一)  被告らは、各自、

1 原告脇キミノに対し、金二〇九万〇、二四〇円、内金一八一万〇、二四〇円に対する昭和四七年一月二日から、内金一〇万円に対する同五〇年一月一二日から、内金一八万円に対する同年一〇月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による各金員を、

2 原告脇義彦、同吉川美恵子、同脇澄子、同坂田良子、同脇和美に対し、各金七九万四、〇九六円および各内金七二万四、〇九六円に対する昭和四七年一月二日から、各内金七万円に対する昭和五〇年一〇月三〇日から各支払ずみまで年五分の割合による各金員を

それぞれ支払え。

(二)  訴訟費用は被告らの負担とする。

(三)  仮執行宣言。

二  請求の趣旨に対する答弁

(一)  原告らの請求を棄却する。

(二)  訴訟費用は原告らの負担とする。

第二当事者の主張

一  請求の原因

(一)  訴外亡脇彌平(以下彌平という。)は、昭和四七年一月一日午前五時二五分頃、高松市中新町二番地一一先交差点の北側に設置された横断歩道上を東から西に向つて横断中、同交差点を南から北に向つて進行して来た被告近藤芳隆(以下被告芳隆という。)運転の普通乗用自動車(香五五さ六一八三号、以下本件自動車という。)に衝突され、その結果頭部挫創、挫傷等の傷害を受け、同日午後〇時一〇分頃右傷害のため死亡した。

(二)  被告らの責任原因

右事故は、被告近藤清(以下被告清という。)が、その妻近藤朝江などの親族や被告芳隆とともに、岡山県内の高松稲荷に初詣に出かけるため、被告芳隆をして、同被告所有にかかる本件自動車を運転させ、これに同乗して進行していた際に発生したものであり、従つて、被告ら両名は、共同して本件自動車を自己のため運行の用に供していたものであるから、自動車損害賠償保障法(以下自賠法という。)第三条により、彌平の死亡によつて生じた損害を賠償すべき義務がある。

(三)  彌平は、右事故により次のとおり損害を被つた。

1 彌平は、本件事故当時、有限会社東洋化学研究所に勤務するかたわら、自ら古銭販売業を営むとともに洋画家として創作活動に従事していたものであり、右事故前の一年間に、右会社から四三万三、九九二円の給与の支給を受け、古銭販売業により二四万円、洋画の販売により少なくとも一〇八万九、〇〇〇円の純益をあげており、合計一七六万二、九九二円の所得があつた。

2 彌平は、死亡当時満六五才であつたが、身体壮健であつたから、前記事故に遭遇しなければ引き続き六年間稼働可能であり、その間前記事故前の一年間における純益と同額の純益をあげることができた筈である。

3 ところで、彌平が、右純益を得るために必要な生活費は、所得額の四〇パーセントであるからこれを控除して、新ホフマン式計算法により中間利息年五分を控除して六年間の逸失利益を計算すると、次のとおり金五四三万〇、七二〇円となる。

1,762,992×(1-0.4)×5.134=5,430,720(円)

(四)  原告脇キミノ(以下原告キミノという。)は、彌平の妻であり、原告脇義彦、同吉川美恵子、同脇澄子、同坂田良子、同脇和美(以下右五名の原告を「その余の原告ら五名」ともいう。)は、いずれも彌平の実子であり、彌平の死亡により同人の前記債権を法定相続分に従い原告キミノは三分の一にあたる一八一万〇、二四〇円を、その余の原告ら五名は各一五分の二にあたる七二万四、〇九六円をそれぞれ相続した。

(五)  彌平の死亡による原告らの慰藉料

原告らは、本件事故によりそれぞれ最愛の夫又は父である彌平を失い、筆舌に尽せない精神的苦痛を受けたものであり、これに対する慰藉料は原告キミノにつき一五〇万円その余の原告ら五名につき各七〇万円をもつて相当とする。

(六)  損益相殺

原告らは、本件事故により自賠法に基づく五〇〇万円の保険金の給付を受け、内金一五〇万円を原告キミノが、内金各七〇万円をその余の原告ら五名がそれぞれ分割取得し、前記損害賠償債権に充当したのでこれを損益相殺する。

(七)  弁護士費用

原告らは、被告らが任意に損害賠償に応じないので、本件訴訟を原告ら訴訟代理人弁護士吉田正巳に委任し、原告キミノが原告らを代表して着手金一〇万円を支払うとともに、原告らが各自第一審判決の翌日に成功報酬としてそれぞれ認容額の一割(ただし、一、〇〇〇円以下の端数切捨)を支払うことを約したので、原告キミノは一八万円、その余の原告ら五名は各七万円宛の債務を負担するに至つたが、これらも本件事故による損害である。

(八)  よつて、被告らに対し、各自、原告キミノは、金二〇九万〇、二四〇円および内金一八一万〇、二四〇円に対する不法行為の翌日である昭和四七年一月二日から、内金一〇万円(着手金)に対する本件訴状が被告らに送達された日の翌日である昭和五〇年一月一二日から、内金一八万円(成功報酬)に対するこの判決言渡日の翌日である昭和五〇年一〇月三〇日から各支払ずみまで民法所定の年五分の各割合による遅延損害金の、その余の原告ら五名は、各金七九万四、〇九六円および内金七二万四、〇九六円に対する不法行為の翌日である昭和四七年一月二日から、内七万円(成功報酬)に対するこの判決言渡日の翌日である昭和五〇年一〇月三〇日から各支払ずみまで民法所定の年五分の各割合による遅延損害金の各支払を求める。

二  請求の原因に対する被告らの答弁

請求の原因第(一)項は認める。同第(二)項中、本件自動車が被告芳隆の所有であることおよび同被告が運行供用者である事実は認めるが、被告清が運行供用者であることは否認する。同第(三)、第四項はすべて知らない。同第(五)項は争う。同第(六)項中、原告らが保険金五〇〇万円の給付を受けたことは認めるが、その余は知らない。

三  被告らの抗弁

本件事故の発生には、彌平が事故現場に設置された横断歩道を横断するにあたり、左右の交通の安全を確認しないまま本件自動車の直前を横断したこともその原因の一つをなしているから、過失相殺がなされるべきである。

四  抗弁に対する原告らの答弁

抗弁事実は否認する。すなわち、本件事故は、被告芳隆が前方注視を怠り、しかも時速約六〇キロメートルの高速度で交差点を進行しようとした同被告の過失に起因するものであつて、彌平に過失はない。

第三証拠〔略〕

理由

一  (本件事故の発生)

請求の原因第(一)項の事実は当事者間に争いがない。

二  (被告らの運行供用者責任)

1  被告芳隆について

被告芳隆が本件自動車を所有してこれを自己のために運行の用に供していた事実は当事者間に争いがない。

2  被告清について

原告らは、本件事故は、被告清が、被告芳隆をして同被告所有にかかる本件自動車を運転させ、これに同乗していた際に発生したものであるから、被告清は自賠法三条の運行供用者としての責任を免れない旨主張するので判断するに、本件自動車が被告芳隆の所有に属することは当事者間に争いがなく、そして、〔証拠略〕によると、被告清と被告芳隆とは親子関係(被告清は被告芳隆の実父)にあり、被告清は、本件事故の際、被告芳隆運転の本件自動車の助手席に同乗していたことが明らかである。しかしながら、〔証拠略〕を総合すると、被告清は、徳島県三好郡井川町八幡八〇番地(肩書住所)に居住し、同所で縫製業を営んでいるが、被告芳隆(昭和二四年九月二三日生、事故当時二二才)は、昭和四五年四月ころから、父被告清及び母朝江と別居し、独立して高松市塩上町のアパートに居住し、同市成合町所在の川久運輸株式会社に貨物自動車の運転手として勤務しているうち、昭和四六年八月一六日ころ、自力で中古車である本件自動車を代金二五万円(ただし、八回払の月賦)で購入し、これを専ら自己の通勤用に使用していたこと、被告清は、自ら自動車を所有して前記営業に使用し、被告芳隆が本件自動車を購入し、またこれを使用するについてはなんら経済的援助を与えていないばかりでなく、もともと被告芳隆が自動車を購入することについては賛成していなかつたこと、被告芳隆は、正月休暇を利用して、昭和四六年一二月三一日、本件自動車を運転して前記父母の許に帰つたが、それは同車購入後初めてであつたこと、そして、被告芳隆は、同日、父母に対して、翌一月一日本件自動車を運転して岡山県内の高松稲荷に初詣に行くことを告げたところ、父母から一緒に行きたいとの申出があつたので、伯父や従兄弟も誘つて、一月一日早朝、父母、伯父および従兄弟を同乗させて本件自動車を運転し、初詣に向う途中本件事故を惹起させたことの各事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。以上の事実によると。なるほど、被告清と被告芳隆とは親子関係にあり、しかも被告清が被告芳隆運転の本件自動車に同乗してはいるけれども、他方、前記説示の本件自動車の所有関係とその使用状況並びに被告芳隆が事故当日本件自動車を運転するに至つた事情などにかんがみると、事故の際、被告清が被告芳隆に運転を指示するなどして同車の運行を支配していたと認めるには不十分であるのみならず、被告清が同乗することによつて受けている利益は、いわば単なる好意同乗による利益の域をでないものというべきである。他に、被告清が本件自動車の運行供用者であることを認めるに足りる証拠はない。してみれば、被告清に対する原告らの請求はその余の点について判断するまでもなく理由がない。

三  (彌平の逸失利益)

1  〔証拠略〕によれば、彌平は、本件事故当時、有限会社東洋化学研究所に勤務し、年間少なくとも四三万三、九九一円の給与の支給を受けていたことが認められ、右認定に反する証拠はない。

2  〔証拠略〕によれば、彌平は、前記会社に勤務するかたわら、古銭の仕入販売業を営んでいたこと、本件事故前一年間における右営業上の利益は三六万円であつたことが認められ、この認定に反する証拠はない。しかし、一方、〔証拠略〕によれば、彌平は、原告脇義彦の妻経営にかかる飲食店に右古銭を陳列して販売する方法をとり、販売の任には彌平のほか、同人の妻である原告キミノ、原告脇義彦の妻があたつていたことおよび彌平は、前記会社に勤務するかたわら後記の洋画の創作活動に専念していたことが認められるから、古銭販売における原告脇義彦の妻および原告キミノの寄与率は五割と認めるのが相当である。従つて、彌平の古銭の仕入販売業による同人のあげていた純益は年間一八万円というべきである。

3  〔証拠略〕を総合すれば、彌平は、六〇才近くになつてプロの洋画家として活躍を始め、本件事故当時は洋画の創作活動が軌道にのり、精力的に作品を仕上げてこれを販売していたこと、事故前の一年間における洋画販売の総売上高は一六三万三、五〇〇円であつたことが認められ、この認定を覆すに足りる証拠はない。しかし、一方、〔証拠略〕によれば、洋画創作販売活動に要するキヤンバス代、絵具代、額縁代等の必要経費は洋画売上高の三割であること、そして、洋画は、前記古銭販売と同じく原告脇義彦の妻経営にかかる飲食店に陳列して販売していたことおよび販売は専ら原告キミノ、彌平の子である原告脇義彦、同原告の妻がこれにあたつていたことが認められるから、右洋画販売における原告キミノ、同脇義彦及び同原告の妻の寄与率は洋画の総売上高の一割を占めているものというべきである。従つて、彌平の洋画の販売による一年間の純益は、洋画の総売上高から前記必要経費と寄与率の合計四割を控除した九八万〇、一〇〇円となる。

4  以上1ないし3認定のとおりであつて、彌平は、年間少なくとも合計一五九万四、〇九一円の所得を得ていたことが明らかである。そして、〔証拠略〕によれば、彌平は、本件事故当時、満六五才で身体壮健であつたことが認められるから、同人は、本件事故がなければ、少なくとも事故後六年間稼働可能であり、その間前記程度の所得をあげることが可能であつたと推認できる。

5  ところで、彌平の年令、職業、家族数、所得額その他諸般の事情を総合すると、同人の生活費は、一年間の所得額の五割を要するものと認めるのが相当である。従つて、同人の一年間の純益は七九万七、〇四五円(円未満切捨、以下同じ。)となる。

6  以上の事実を基礎として、彌平の六年間における得べかりし利益をホフマン式計算法により中間利息年五分を控除して算出すると、次のとおり金四〇九万二、〇二九円となる

797,045円×5.134=4,092,029円

四  (相続関係)

〔証拠略〕によれば、原告キミノは彌平の妻であり、その余の原告ら五名は彌平の実子であることが認められるから、彌平の死亡により、原告キミノは前記彌平の逸失利益の三分の一にあたる金一三六万四、〇〇九円、その余の原告ら五名は右逸失利益の各一五分の二にあたる各金五四万五、六〇三円をそれぞれ相続したことが明らかである。

五  (原告らの慰藉料)

原告らが夫であり父である彌平の本件事故死によつて甚大な精神的苦痛を被つたであろうことは察するに余りある。これに本件事故の態様、彌平の年令および同人には事故発生について過失が認められないこと、その他本件に現われた一切の事情を考慮すると、原告キミノに対する慰藉料は一五〇万円、その余の原告ら五名に対する慰藉料は各六〇万円が相当である。

六  (過失相殺)

被告芳隆は、本件事故の原因は、禰平が、事故現場の横断歩道を横断するにあたり、左右の交通の安全を確認しないまま本件自動車の直前を横断したことも事故の一因をなすものである旨主張するので検討する。前記請求の原因第(一)項の事実に、〔証拠略〕を総合すると、本件事故現場は、東西に通ずる車道の幅員約一八メートルの国道一一号線と南北に通ずる車道の幅員約二四メートル(ただし、車道の中央部分に設けられた幅員約四メートルのグリーンベルトを含む。)道路とがほぼ直角に交つた見とおしのよい十字路交差点の北側(南北道路)に設置された幅員約四メートルの横断歩道上であつて、事故当時、同交差点に設けられた信号機の信号は、東西道路が赤色の燈火の点滅、南北道路が黄色の燈火の点滅を表示していたこと、彌平は、事故当時、右横断歩道を東から西に向つて横断歩行中、横断歩道の東端から約二〇・三メートル西方に横断した地点で南北道路を南から北に向つて時速約六〇キロメートルで進行して来た被告芳隆運転の本件自動車前部中央付近に衝突されたことの各事実が認められ、右認定に反する被告近藤芳隆本人の供述部分は〔証拠略〕に照らして措信できない。

ところで、歩行者は、信号機の信号が赤色の燈火の点滅を表示している横断歩道を横断するには、横断開始にあたり、左右道路の交通の安全を確認したうえ横断すべき注意義務があるのに対し、信号機の信号が黄色の燈火の点滅を表示するのみで交通整理の行なわれていない横断歩道を通過しようとする自動車の運転者には、横断歩行者のないことが明らかでないかぎり、横断歩道の直前で停止することができるような速度で進行しなければならず、横断歩道上を横断し、又は横断を開始しようとする歩行者があるときは、その横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨害してはならない(道路交通法三八条一項)という極めて重い注意義務を課し、横断歩行者を強く保護しているのである。前記事実によれば、彌平は、事故直前、前記のように長さ約二四メートルの横断歩道上を東から西に向つて約二〇・三メートルの衝突地点まで安全に歩行し横断しているのであつて、同人が特に飛び出したというような事情(この点についての〔証拠略〕は措信できない。)は全く認められない。のみならず、被告芳隆は、事故現場の見とおしのよい進路前方の横断歩道上を、運転者にとつて最も発見しやすい右(東)方から左(西)方への横断歩行者があるのに、前記の注意義務を怠り、時速約六〇キロメートルの高速度で通過しようとしているのであるから、本件事故は、同被告の一方的過失に起因するものであつて、右事故発生につき被害者彌平に責められるべき落度があるとは到底認められない。

七  (損益相殺)

原告らが自賠法による保険金五〇〇万円の給付を受けたことは当事者間に争いがない。そして、右五〇〇万円のうち、原告キミノが一五〇万円、その余の原告ら五名が各七〇万円宛を分割取得し、これを前記各損害に充当したことは原告らの自認するところである。そこで、右各金員を控除すると、原告らの損害の残金は、原告脇キミノにつき一三六万四、〇〇九円その余の原告ら五名につき各四四万五、六〇三円となる。

八  (弁護士費用)

〔証拠略〕を総合すると、原告らは、被告芳隆が任意に損害の賠償に応じないので、原告ら訴訟代理人弁護士吉田正巳に本件訴訟を委任し、原告キミノが原告らを代表して着手金一〇万円を支払い、成功報酬として各原告が認容額の一割を支払う約束をした事実が認められ、右認定に反する証拠はない。そして、本件事案の難易、請求額、本訴において認容する額、その他諸般の事情を斟酌すると、本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は、原告キミノの原告らを代表する着手金につき七万円、原告キミノの成功報酬につき九万円、その余の原告ら五名の成功報酬につき各四万円が相当と認める。

九  (結論)

以上のとおりであつて、原告らの被告芳隆に対する本訴請求のうち、原告キミノにおいて金一五二万四、〇〇九円および内金一三六万四、〇〇九円に対する本件不法行為の翌日である昭和四七年一月二日から、内金七万円(着手金)に対する本件訴状が被告芳隆に送達された日の翌日であること記録上明らかな昭和五〇年一月一二日から、内金九万円(成功報酬)に対するこの判決言渡日の翌日である昭和五〇年一〇月三〇日からそれぞれ支払ずみまで民事法定利率年五分の割合による各遅延損害金の、その余の原告ら五名において各金四八万五、六〇三円および各内金四四万五、六〇三円に対する本件不法行為の翌日である昭和四七年一月二日から、各内金四万円(成功報酬)に対するこの判決言渡日の翌日である昭和五〇年一〇月三〇日からそれぞれ支払ずみまで民事法定利率年五分の割合による各遅延損害金の各支払を求める部分は正当であるからこれを認容し、その余の請求は失当であるからこれを棄却し、原告らの被告清に対する本訴請求はすべて失当であるからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条、第九二条を、仮執行の宣言につき同法第一九六条一項を各適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山口茂一)

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